売掛金の回収代行として便利な存在なファクタリング。
個人事業主や中小企業の資金繰りには最適な方法です。ファクタリングをまだあまりご存知ない方は下記の記事を参考にすると良いでしょう。
しかし、そんなファクタリングという名前を使った詐欺師が存在している事を知っているでしょうか。
また、詐欺とまではいかなくてもとんでもなく法外な手数料を徴収している悪徳業者もいます。
それでは一体何に気を付ければ、被害に遭わずに済むのか詳しく検証してみましょう。
ファクタリングの弱点
資金繰りの改善に効果的なファクタリングサービスも肝心な業者がいい加減では意味がありません。
冒頭に述べた通り、中には詐欺師まがいの業者もいれば、あまり知識がないのにファクタリング業者を始めていることもあります。
ここが一番の問題点なんですが、現状ではファクタリング業者に許認可制度がありません。
要するに野放しなのです。
そのため、相手の素性がわからないファクタリング業者がいっぱいあります。
そんな状態に付け加えて、ファクタリング業者を必要とする利用者は資金繰りがひっ迫した緊急事態であることが多いため、ネット上から業者を探して使いがちです。
まずはこの業者選びから注意が必要といえるのです。
営業に許認可がいらないから様々な業者が存在している
ファクタリング業者とのトラブルが多いのは手数料に関するものでしょう。
問題が多いのは貸金業法上の制限利率を敬遠するため、ファクタリング業者と営業をしているケースです。
この場合、手数料率を割高にする例が多くなります。
せっかく資金繰りを改善しようとしても、回収できる金額が売掛金の4割とか半分とかになってしまったら意味がありません。
いかに手数料が安くしっかりした相手を選ぶことがいかに大切かということです。
業者の素性がわからない
ファクタリング業者の中には大手金融機関の関連会社もありますが、このような業者は一般向け業務の取引を行ってない場合が多数です。
そのため、一般企業はネットなどでファクタリング業者を探すことになります。
しかし、先ほど述べたようにファクタリング業者は玉石混合であり素性が分かりづらいため、どの業者が優良で悪質なのかが判断が難しいのです。
そのため、ファクタリング業者の素性を掴むためにはネット上の公式webだけでなく、口コミサイトなども併せて検討する必要があるのです。
ネット上の業者が多くなってきた
ファクタリング業者の多くはネット上の業者です。
大体の業者がしっかりオフィスを構えてますが、基本的にネットのやり取りだけでも完結する事が可能なため、ちゃんとしたオフィスを構えずマンションの一室などで営業するネット型ファクタリング業者が増えてきました。
ネット上の店舗の方がコストはかかりませんし、広い範囲でお客さんを探すことができるため最近ではこのような営業スタイルの業者が増加しているのです。
ただ、このようにWEB完結型の業者が増えるという事は、それだけ怪しい業者も増えるという事です。今も昔もネット上の店舗は相手の素性がわからず危険なことも確かです。
実際にネット上の店舗などを使って詐欺被害に遭ったというニュースを見たことがある人も多いでしょう。
手数料相場があいまい
ファクタリング業者は許認可がないこともあり、手数料相場は結構あいまいです。
業者によってはかなりディスカウントしていることもありますが、高いと売掛金の3割程度が手数料として徴収されます。
もっとも、手数料の基準がないこともあり、初めて利用する人は業者の言いなりになりがちです。
また、ファクタリングには登記などの手数料が必要になるため、この相場を知らないと法外な「登記手数料」が必要となることもあります。
手数料の話はちょっと注意して確認した方がいいでしょう。
こんな業者は要注意!
では、数多くあるファクタリング業者の中から悪徳業者を排除して、優良業者を探すためにはどうすれば良いのでしょうか。
まずは下記項目に当てはまるような業者には注意して下さい。
悪質とまではいかなくても、割りの悪い業者というのは間違いありません。
手数料の規定が曖昧
優良業者と言われるファクタリング業者は手数料規定を作成しています。
つまり本来は「明瞭会計」なのです。
ファクタリングには手数料が必要なことは当然です。すなわち業者に払う費用です。
例えば最初の取引であれば、売掛対象者の信用度を調べる必要がありますし、自社の状況も審査対象になります。
そのため最初の取引は手数料が高くなる傾向にあるものの、手数料規定で明確化されていれば納得もできるでしょう。
しかし、悪徳業者はこのような手数料規定がなく、お客を見て「取れそうな相手」であれば法外な値段を要求してくることが多いのです。
手数料規定がしっかりしていない業者と取引をしてはいけません。
契約書を作らない
ファクタリング業者とのトラブルで多い項目として、得意先の倒産や支払遅延が起きた際の責任の所在が挙げられます。
売掛金がきちんと回収されれば問題ありません。
しかし、万が一得意先が倒産したり、支払遅延が起きたりした場合、回収できない資金の負担を誰がするかが問題になります。
最近は、ヤミ金が「合法的な商売」としてファクタリング業界に進出しています。
この場合、契約書を作らず万が一の際には「返済しろ」と迫ってくるのです。
契約書をきちんと作る業者でなければ信用してはいけません。
ファクタリングのことを知らない
そんな事あるの?と疑問に思うかもしれませんが、ファクタリング業者の中には【ファクタリングのことをよく知らない】業者もあります。
単に売掛金の存在を確認し、その何割かを事業者に渡し、回収時期になったら資金の取り立てをすればいいやと思っているのです。
このような業者は先ほど述べたヤミ金からの「転業」組が多く、取り立ては厳しくなります。
お金を貸したという意識しかないので、ファクタリングがどうのこうのと言っても聞く耳を持ちません。
知識があいまいな業者とは取引をしてはいけません。
口コミ内容が悪い
ネット上の業者が多いファクタリング業者に対する口コミサイトがあります。
口コミサイトによっては「悪徳業者の御用サイト」もあるので注意が必要ですが、多くの業者が網羅されているサイトであればある程度信用できるでしょう。
複数のサイトを確認し、どのサイトでも好意的な意見が多ければ利用してもいいファクタリング業者と言えそうです。
これに対し、口コミ内容が悪い書き込み記事が多いファンクタリング業者であれば敬遠した方が賢明です。
表面上はしっかりしていても「何か裏がある」業者と思われます。
悪徳業者に引っ掛かるとどうなる!?
注意していてももし悪質な業者に引っ掛かってしまったら一体どうなってしまうのでしょうか。
実際に騙されてしまった人たち体験を簡単にまとめてみました。
話の内容をいきなり変えてくる
悪徳業者の多くはヤミ金などからの「転業」です。
そのため、その本質は「貸金業」と考えて間違いありません。
本来、ファクタリングは売掛金の買取をしたり、回収代行をしたりすることが仕事ですが、そんなことも知らない事も少なくありません。
売掛金の回収も買取も結局は相手にお金を渡して回収すればいいだけだと考えているわけです。
そんな業者ですから、契約書も作りません。
最初は売掛金の回収代行とか買取とか言いながら、いきなり「お金を貸したのと一緒だろう」と言ってくるのです。
登記費用が異常に高い
ファクタリングには基本的に登記が必要です。
特に売掛金譲渡を得意先に知られずファクタリングができる「2社間ファクタリング」と言われる方法は、売掛金上の事実を公的に保全する必要があります。
この手段として登記が使われます、当然登記費用が必要です。
悪徳業者と言われる業者は、登記費用の相場が知られていないのをいいことに登記費用をかなり高く設定します。
ひどいと司法書士に支払う金額の2倍を請求することもある程です。
登記費用の請求があったら「相場」をネットなどで調べて比較することも必要かもしれません。
不明瞭な手数料が多い
登記手数料はファクタリングの手数料の中では大きな部分を占めますが、悪徳業者は適当な名目で手数料を設定することがあります。
特に「審査手数料」とか「代行手数料」などの名目は内容を確認した方がいいでしょう。
これらの手数料はファクタリング自体の手数料に含まれるべきものですから、別に支払うものではありません。
登記手数料のように司法書士に支払う「実費」以外の手数料は拒絶する心構えを持つ必要があります。
手数料率が割高
ファクタリングには2社間ファクタリングと言われる方法と、3社間ファクタリングと呼ばれる方法があります。
手間などを考えると、2社間ファクタリングの方が手数料は高くなりますが、それでも手数料の総額は売掛金の30%が限界でしょう。
3社間ファクタリングであれば20%程度が上限です。これでも十分高い方ですが、ギリギリの範囲内です。
これ以上を越えたら絶対に利用しない方が良いでしょう。
- 2社間上限:30%
- 3社間上限:20%
手数料率が割高で、しかも他の手数料も必要というようなファクタリング業者はまず悪徳業者だと考えた方がいいでしょう。
更にヤバい!詐欺師に引っ掛かると
上記の悪質業者くらいならまだ可愛く感じるほど、更に悪質な詐欺師と呼ばれる輩に引っ掛かると非常にヤバいです。
このような詐欺師たちはどのような手口でファクタリング利用者を騙すのでしょうか。
そして、万一引っ掛かるとどんな被害が生じるのでしょうか。
ヤミ金がファクタリングを始めている
上記の悪質サイトでも少し述べましたが、最近ヤミ金がファクタリングを始めています。
こうしたヤミ金上がりの、業者は2種類に分かれます。
- 悪質業者:手数料などが高くグレーゾーンギリギリで営業
- 詐欺業者:自分たちの利益だけを考えている完全ブラック営業
ほぼ確実にこのどちらかに振り分けられます。
ヤミ金の手口はご存知の通り、貸付と見せかけて法外な利息を取るものですが、その手法はファクタリングであっても変わりません。
先ほど契約書を作成しない業者は危険だと述べましたが、正にヤミ金がそれに該当します。
ヤミ金業者の「ファクタリング」は契約書を作らないか、作ったとしても非常にあいまいです。
そのため、売掛金の譲渡と見せかけて実は単なる貸付だったということが少なくありません。
この手の容疑でヤミ金が逮捕されると、そのヤミ金と取引をしていた事業者は「反社会勢力」との取引があったと判断されることがあります。
これが原因で取引を打ち切られることもあるので注意が必要です。
実際は融資契約書だった
ヤミ金がファクタリングをする際には契約書を作りませんが、作ったとしてもその内容は融資契約書です。
どうせ読まないだろうといい加減に作っていることが多いのですが、契約書を確認しても売掛金譲渡という文言は入っていません。
もともとファクタリングがどのようなものかを知らない相手ですから仕方ないと言えば仕方ないでしょう。
次第に上がる手数料率
この手の詐欺業者は、手数料も明確にしません。
手数料をあいまいにしたまま「追加費用が必要だ」ということで手数料をドンドンと引き上げていきます。
最初に手数料規定が明確でない業者は危険だと述べましたが、正に詐欺業者や悪徳業者の常とう手段なのです。
気が付いた時には遅いことも
しかし、業者選びに気を付けていないとこのような業者に引っ掛かってしまいます。
詐欺業者や悪徳業者だと気が付いて時には、既に手数料を多額に支払っていたり、資金化された金額が非常に少ないことに気が付いたりする時なので手遅れです。
こんなことにならないようにファクタリング業者選びは慎重にすべきと言えます。
ダメなものはダメと気づくべき
ファクタリングをしようとしてもしっかりした業者の場合、審査で断られることがあります。
売掛先が拒絶するだけであればいいのですが、売掛先の信用が低いと業者が引き受けてくれません。
また、個人事業者の場合、売掛金の登記ができないためファクタリングの引き受けを拒絶されることもあります。
このような場合、「まともな」業者はすべて断ってくるでしょう。
こうなったらファクタリングは無理だとあきらめるべきです。
無理に実行しようとすると悪徳業者の餌食になりかねません。
悪徳業者の餌食になる理由
どの業者にも断られるのに、諦めずに探して連絡してみたら大丈夫と言われることがあります。
でもそこはほぼ間違いなく悪徳業者です。
普通のファクタリング業者は手数料と見合ったリスクしか取りませんが、悪徳業者は手数料の規制がないことをいいことに不当と言えるほど高い手数料を取ります。
そのため、危ない相手とも取引をするのです。
しかし、それは割に合いません。
不可能を可能にしようとしてしまうから悪徳業者の餌食になるのです。
詐欺師がのさばる理由
詐欺師がのさばるのも似たような理由です。
ヤミ金のような詐欺師は、売掛金を買い取ったと言いつつ法外な利率で融資をしますが、取り立てが過酷なことは言うまでありません。
しかも、回収ができないと取引先に対して支払を強要するようなことを平気でします。
このような事をされると取引が止まるので事業者は必死になって資金を工面するのです。
もちろん事業者は泣き寝入りでしょう。
ヤミ金という詐欺師が平然と「ファクタリング」を続けている理由です。
3社断られたら諦めよう
ファクタリング業者をいくつかピックアップしたのに、どの業者にも断られる場合があります。
審査内容はどの業者もほぼ同じですから、2社か3社で断られたら絶望的だと考えた方がいいでしょう。
無理をしてはいけません。
こうなったら他の方法で資金調達を考えましょう。
これ以上ファクタリングに深入りすると自分の首を絞めるだけです。諦める勇気も必要です。
無理をしようとするとヤツらの罠にハマる
ここで無理をして「何とかしてくれそう」な業者を頼ってしまうと悪徳業者や詐欺師の餌食です。
無理なモノは無理だと認識することが大切でしょう。
無理をしようとするとヤツらの罠にハマってしまうのです。
安全第一でファクタリングを実行しよう
ファクタリングは決して危険な取引ではありません。
資金化を最優先すべき時には絶好の手段です。
ただ、業者選びは慎重にすべきです。
認定制度もないような業界なので、どの業者が優良なのかわかりません。
口コミサイトなどを駆使するとともに、相手の応対などで優良業者を見極めることが大切です。
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