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皆さんがお持ちのクレジットカードには、基本的に「キャッシング枠」と「ショッピング枠」の2つが備え付けられております。
最近では、キャッシング枠がないクレジットカードも多数発行されております。
お買い物だけに特化したクレジットカードですね。
しかし、そもそもこのキャッシング枠とショッピング枠ってなんで分かれているのでしょうか?
どっちか一つでいいじゃん。例えば100万の枠でどっちでも使えるようにしたらいいじゃんなんて声は昔からあるようです。
なぜカード会社はクレジットカードに2種類の機能を付けたかご存知でしょうか?
結論から先にお伝えします。
カード会社は、少しでも多くクレジットカードを使って欲しいから!
これが答えです。
ん?これのどこが答えなの?
疑問に思う方も多いでしょうが、これが結論なのです。
この結論に対しての答えは以下をご覧いただければ納得頂けると思います。
キャッシング枠の存在意義
キャッシングとは、「借金」です。
この枠があれば、カード会社から直接「お金」を借りる事が出来るのです。
キャッシング枠の限度額が50万なら、50万円まで借りる事ができます。
限度額100万なら100万円という形で、カード会社から融資を受ける事が出来るのです。
それならこの枠を増やして、キャッシングもショッピングも出来るようにすれば、【少しでも多くクレジットカードを使って欲しい】というカード会社の要望を満たす事が出来るのではないでしょうか。
でわなぜ、わざわざ2種類の枠に分ける必要があるのでしょうか。
枠を分ける理由①「使用目的の明確化」
理由の一つに、例えば同一の枠でキャッシングも、ショッピングも両方できた場合、いくら分がキャッシング分で、いくら分がショッピング分など、クレジットカード会社も把握するのが面倒だし、何よりも利用者である我々もゴチャゴチャになってしまう恐れがあります。
実際に、これは枠を分けた理由の中では重要度が低いですが、同一枠だとこの辺の不便さがあるというのも、そもそもの理由の一つでもあります。
枠を分ける理由②「利息の設定が異なる」
少し理由っぽっくなってきましたね。
そもそもクレジットカード会社が定める利息には、キャッシング用と、ショッピング用で異なる場合が多いです。
日本で言えば、ほんの十数年前までは、キャッシング枠の利息が年間40%超えだった時代がありました。
今では考えられないですね。
そんな時代から業界全体で29.2%まで下がり、今では平均15%~18%以下ほどまで下がって来ました。
これはまぁ、法律で制限が掛るようになったからです。
キャッシング自体の利息はショッピングと比べてずっと高く、クレジットカード会社や消費者金融はこのキャッシングの利息が大きな利益を占めていたのです。
だからそんな利息の高いキャッシング枠とショッピング枠を一緒にしてしまうと、利息が高い分ショッピングでは使用しないという傾向になるのは、カード会社からすれば避けたかったのでしょう。
実際に10万円の商品を買うのに、利息が40%だと14万円の商品の価格自体ぐっと引き上がる印象が残ってしまいます。
これでは中々利用に結びつきませんね。そうした意味でも昔から、ショッピング枠自体は利息がキャッシング枠に比べて低かったのです。
こうした背景からも、棲み分けなければならなかったのがお分かり頂けるでしょうか。
枠を分ける理由③「法律の介入」
枠には限度額というものが設定されてますね。
そもそも、今も昔も無制限にお金を貸す事は法律で禁止されているのです。
金融庁からの指導の下、各社一定の審査基準のもと、個々の返済能力によって、貸付できる限度額を決めなければならないです。
よって誰にでも無制限に借金をさせる事が出来ないのです。
これは借金によって個人や法人、また国を破たんさせない為に国が強制的に制限をかけているのです。実際に必要な事だと思います。
最近では更にその国からの制限が厳しく、2010年6月から施行された最新の総量規制からは年収の3分の1以下の貸付しか行えない為、キャッシング枠自体、限度額が非常に低くせざるを得なくなっているのです。
その為、特に主婦や学生などは、総量規制という法律のもとキャッシング自体不可能になりました。※これは現在におけるクレジットカード現金化の需要を促す結果になっております。
よって、クレジットカード会社は、昔からこのキャッシング枠とは別にショッピング枠という枠を設け、少しでもクレジットカードを利用してもらえるように少しでも国からの制限を広げる必要があったのです。
※ここではあまり関係なく、まだ素案ですが今後総量規制の緩和対策で、金利の上限もまた29.2%に引き上げる案や、年収の三分の一以下の規制撤廃案などが、近い将来実現する可能性もあるとの事です。
利息が上がるのは勘弁してほしいですが、キャッシング枠が上がるのは興味深く、消費者からしたら果たして良いニュースのか、悪いニュースなのか判断に困りますね。
ショッピング枠とはなんなのか
このような棲み分けから、キャッシング枠とショッピング枠は「似て非なるもの」という事になるのです。
ちなみに、キャッシングには利息制限法が適用されますが、ショッピング枠には利息制限法は適用されません。
ショッピング枠は、「融資」ではなく「立替金」という扱いになります。
一時期流行っていた「過払い金返還請求」はキャッシング枠にのみ適用され、ショッピング枠での過払い金返還請求は出来ません。
このように厳密にいうと、その性質自体全く異なるという事を理解した上で、賢く使う事が大切ですね。
また、前述のように総量規制のためキャッシング枠自体なくなってしまった、人たちが現在大勢います。
そのため、残されたショッピング枠を使ってどうにか現金を作ろうと、【クレジットカード現金化】を利用する人が非常に増えました。
現金化する上での注意点
ショッピング枠の現金化は、現在の買取方式の元では違法性はほぼありません。
しかし、注意点は2つあります。
■カード会社の規約には違反している。
そもそもショッピング枠は、何かモノを買ったり、飲食したりの料金を「カード会社が立替え」てくれているサービスです。
その立替を現金に変える事は本来の目的ではありません。そもそも現金にさせない為の枠ですので、カード会社からすれば自分達の与信外のところで、返済能力の有無関係なくで現金を手にしようとする行為は禁止なのです。
■完済するまで、所有権はカード会社
クレジットカードのショッピング枠を使用して購入した商品は、厳密に言えば完済するまでカード会社が所有権を有します。
要はカード会社が立て替えてくれているものですから、法的にはカード会社に権利があるという事です。
よって、カード会社の許可なく売ってしまえば、これはもう立派な法律違反です。
例えばローン返済中の車をカード会社に内緒で勝手に売って、自分だけ現金を手にすれば詐欺になるのと同じです。
ただ、それではカード使用して飲食などをした場合はどうなのでしょうか?所有権とか関係ない話になってしまいます。
このように実際には曖昧なグレーゾーンですが、厳密に法律で言えばこの「所有権」はカード会社という事になります。
まぁ、車のような書類上でも所有権を打つような取引とは性質が違うので、同じように法律違反とは言い難いのですが、厳密に言えばカード会社からこのような主張をされても文句は言えなくなります。
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