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Amazonベンダーエクスプレス(Amazon Vendorexpress)が2018年一杯をもって終了するとの情報が入りました。
このサービスが無くなる事によって、日本の通販業界に何が起きるのか少し考えてみました。
一般的に聞きなれないこのサービスが終了する事によって、無関係の我々になにか影響があるのでしょうか。
実は無関係であると思われる我々にも大きく関係しているのです。
Amazonベンダーエクスプレスとは!?
恐らく多くの方が聞いたことのないサービスだと思います。
ただこのサービスを使っている人達にとっては、絶対になくてはならないくらいサービスです。
Amazonベンダーエクスプレスの概要
Amazonベンダーエクスプレスを通じて、お取引先様はAmazonへ商品を販売し、何千万人ものお客様に向け商品を展開することが可能になります。 Amazonはお取引先様から商品を直接購入します。商品発送、販売促進、カスタマーサービス、返品対応はAmazonにおまかせください。
Amazonベンダーエクスプレスは、納入予定商品の製造者様、またはブランドオーナーから販売権を付与されている事業者様のみを対象としたプログラムです。該当しない卸業者・小売業者様はベンダーエクスプレスでのお取引はできませんが、商品が第三者の知的財産権を侵害しない場合、その他のAmazonプログラムで販売可能な場合がありますのでご検討ください。詳細はこちら。
Amazonベンダーエクスプレスが提供するサービスには以下が含まれます:
- 無料の年間参加費
- Amazon.co.jpサイト上では「Amazon.co.jpが販売・発送」と表示され商品が販売されます
- お取引先様からAmazonへの商品配送費用はAmazonが負担します
- お取引先様の商品の保管・管理
- Amazonプライム会員へのお急ぎ便、および一定の注文基準を満たしたお客様への無料通常配送
- Amazonマーケティングサービスなどの販売促進プログラム
なお、当プログラムでは、お取引先様へ納入依頼を発行する前に、お客様の需要を測定するため、最小限の無償サンプル商品の提供をお願いしています。お取引先様の商品が販売されると、Amazonは有償の納入依頼の発行を開始する可能性があります。無償のサンプル商品は、当プログラムへの投資としてご提供をお願いしております。お取引先様の商品をAmazonの商品詳細ページに登録し、お客様の需要を評価するためのプロセスとなりますので、ご理解とご協力をお願いいたします。詳しくは、最初の納入依頼をご確認ください。
Amazonベンダーエクスプレスでアカウントを作成するには、アカウントの作成をご参照ください。
分かりやすく言うと、アマゾンが直接商品を買ってくれるのです。
私が何かの商品のメーカーだとしたら、卸先がAmazonという事になります。
よってこのサービスはベンダーやメーカーなど通販業者向けのサービスというです。
業者から買取った商品をAmazonが直接販売する
画像の真ん中の出品者にamazon.co.jpがありますが、これはアマゾンがAmazonベンダーエクスプレスで各業者から購入した商品を販売しているという事です。
amazonの上の業者(SMART1-SHOP)はマーケットプレイスといって、商品を自分で管理して売れたら自分たちで発送しているだけです。
amazonの下の業者(カメラのキタムラネットショップ)はFBAサービスを利用している業者という事になります。
サービス終了によって今後どんな影響が!?
このベンダーエクスプレスが終了する事によって大きな影響があるのは、このサービスを利用していた業者だけではなく、実は我々消費者にとっても大きな影響を及ぼすのです。
それでは一体どんな影響があるのか考えてみましょう。
ベンダーやメーカは死活問題
このサービスを利用してアマゾンに直接販売していた業者にとってはとんでもない死活問題でしょう。
それもそのはずです。
あまりにも大きな取引先を失ったという事です。
もちろん販売規模は各業者やメーカーによって様々ですが、今まではあのアマゾンがバンバン買ってくれていたのです。
メーカーは商品を作ってアマゾンに売るだけの簡単な仕事です。(もちろんそれだけではありませんが)
その大口取引先が無くなるわけですからそれは大変です。
今後はまた違う卸先や、販路を確保しなければなりません。
それでも超巨大企業アマゾンを超える取引先は中々ないのではないでしょうか。
中には取引の大半がアマゾンという業者や、アマゾン一本という業者もいたからもしれませんがそうした業者にとってはあまりにも大きな打撃といえるでしょう。
サービス利用者は間違いなく損する人と言えるでしょう。
通販市場の価格が変わる!?
今までアマゾンジャパンは、このベンダーエクスプレスで様々な商品を大量に仕入れる事によって、その仕入れコストを大幅に抑えてきました。
そしてその分、販売価格を下げて販売しているのです。
その安さたるや、百貨店泣かせというほどアマゾンが直接販売する商品はどれもこれも格安なのです。
圧倒的なコストパフォーマンスがあったからこそ、2017年の通販売上で遂に楽天を抜き日本ナンバーワンになったのです。
それだけに今やアマゾンの販売価格というのは、通販業界のみならず大手百貨店や家電量販店などにも大きな影響を与えてきました。
どの業者もアマゾンより安く売るために多大な努力をしてきているのです。
特にヨドバシ.comをはじめとする多くの通販サイトは【打倒Amazon】を掲げ今もなお価格競争をしております。
また、分かりやすいところでいえば、価格ドットコムなどに掲載されている通販業者の多くは、このアマゾンの販売価格をベースに自分たちがどれだけ安く販売できるなど努力を重ね、相当な薄利で商売をしているのです。
画像は一例だが、このようにアマゾンの販売価格を基準にどれだけ安く売れるかを競っているのです。
このようにアマゾンを基準として、日本全国の通販をはじめ多くの小売店などにも大きな影響を及ぼしてきたアマゾンが直接販売から撤退するとなると、それは価格面に大きな影響を及ぼすことは言うまでもありません。
こうした観点でみてみると通販業者や小売店は得する人という事が出来るのではないでしょうか。
その恩恵が我々ユーザーにも
アマゾンが安く売ってきたおかげで、我々消費者はスーパーや家電量販店などにわざわざ行かなくてもスマホやPC上で、どこよりも安く気軽にお買い物が出来ていたのです。
その格安の牽引役であるアマゾンが直接販売から撤退するとなると、市場価格の平均は必然と高くなるのではないでしょうか。
巨大な壁であったアマゾンを基準とした価格競争をしなくても済むため、それは通販業者にとってはある意味朗報である事は間違いありません。
このベンダーエクスプレスがなくなる事によって一番利益を得るのは各通販業者や小売店などです。特に打倒アマゾンの筆頭であるヨドバシ.comにとっては朗報以外のなにものでもありません。
こうなると我々ユーザーにとっては今まで安く買えてたものが高くなるというデメリットが生まれてくるわけです。
このままいけばユーザーは損する側に回ってしまう可能性が高いようです。
amazonからサービス終了の通知内容
ベンダーエクスプレスに登録していた人には下記のメールが通知されたようです。
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平素は格別のご高配を賜り誠にありがとうございます。本メールは、Amazonベンダーエクスプレスにご登録いただいているお取引会社様へ配信しております。
お取引会社様各位
平素は格別のご高配を賜り誠にありがとうございます。このメールは、Amazonベンダーエクスプレスにご参加のお取引会社様に送信しております。
この度、Amazonでは、お取引会社様の今後の中長期的なビジネスの成長支援の見地から、お取引会社様向けプログラムを再考させていただくため、2018年12月末をもって、Amazonベンダーエクスプレスを終了させていただくことを決定いたしました。
今後、Amazonの新しいプログラムが構築できるまでの間、お取引会社様におかれましては、お客様により迅速に、かつ競争力のある価格で商品をお届けできるよう、Amazon出品サービスへのご登録をご検討ください。
今後のスケジュール
– 2018年4月30日をもって、Amazonベンダーエクスプレスからの納入依頼、新規商品登録を停止予定です。
– Amazonベンダーエクスプレスでのお取引会社様の売上や、請求書は引き続き、2018年6月30日までご確認いただけます。
– Amazonベンダーエクスプレスは、2018年12月末日をもって、すべての機能を停止し、プログラムを終了させていただきます。
Amazon出品サービスは、現在Amazonベンダーエクスプレスでお使いのEメールアドレス、パスワードを使って登録が可能です。Amazon出品サービスに関する情報はこちらも併せてご覧ください。
https://services.amazon.co.jp/services/sell-on-amazon/services-overview.html?ld=EMJPSOALGNVE
本件に関しまして、AmazonベンダーエクスプレスからAmazon出品サービスへの移行方法やプランなど具体的なオペレーションについての説明会を、下記日程にて実施いたします。ご多忙中のところ誠に恐縮ですが、ぜひご参加くださいますようお願い申し上げます。
説明会開催日時
(第1回目)
日時: 2018年3月2日(金) 15:00から
場所: ライブストリーミングによる配信
ライブストリーミング参加申し込みはこちら※リンク切れ
(第2回目)
日時: 2018年3月7日(水) 15:00から
場所: アマゾンジャパン合同会社目黒オフィス (東京都目黒区下目黒1-8-1 アルコタワーアネックス)
ご多忙とは存じますが、ご対応のほど何卒よろしくお願い致します。
2018年2月吉日
アマゾン ジャパン合同会社
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恐らくこのメール通知をみたベンダーやメーカーは青ざめたのではないでしょうか。
ただ、このメールの文中には今後これに変わる何か新しいプログラムが出来る可能性も示唆しておりますので、一概には永久になくなるという事ではないかもしれませんが、現時点では終了する事だけが分かっております。
これをみると本当に終わってしまうようですね。
これによって2018年はEC業界のみならず日本の小売業界全体が大きく変革すること必至です。
今後どのような動きになるのかはまだ分かりませんが注目していきたいと思います。
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